「この前は東京へ行ったって言ってたのに、今日は東京に行くって…」
同じ人なのに、なんで言い方が違うの?
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
実はこの「〜へ行く」と「〜に行く」、
どちらも文法的には正しい日本語です。
でも、伝わる印象やニュアンスには微妙な違いがあるんです。
今回はこのふたつの使い分けについて、
例文やクイズを交えながら、わかりやすくご紹介します!
「〜へ行く」も「〜に行く」も正しい日本語です
まずは前提として。
「〜へ行く」も「〜に行く」も、どちらも正解!
どちらも「どこかに向かって移動する」ことを意味しており、文法的な誤りではありません。
ただし、違うのはその「焦点」です。
「へ行く」と「に行く」のニュアンスの違い
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表現
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ニュアンス
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例文
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|---|---|---|
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に行く
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到着地点が明確・目的地に焦点
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学校に行く/病院に行く
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へ行く
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方向や動きに焦点・ふんわりとした印象
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散歩へ行く/旅へ行く
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✔「に行く」= 行き先がはっきりしているときに使う
「今日の午後、区役所に行きます」
→ 明確な目的地。行って何かをする前提がある。
✔「へ行く」= “向かう感じ”を出したいときに使う
「いつか、海の見える場所へ行きたいな」
→ 目的地そのものよりも、「そこに向かう動き」や「願望」に焦点がある。
【例文で比較】同じ場所でも、ニュアンスが違う!
① 美術館に行く
→ 展示を見るなど、到着後の行動を意識
② 美術館へ行く
→ その場へ向かう流れ・行き道の雰囲気を含む
どちらも正しいですが、「行き先の確かさ」や「気持ちの方向性」で使い分けられると、文章に表情が出ます!
✍ 実践クイズ!あなたならどっちを選ぶ?
以下の文には、「へ行く」or「に行く」どちらがより自然でしょうか?
じっくり考えてみてくださいね!
【第1問】
彼女は夕方、ピアノのレッスン〇行きました。
A. に
B. へ
【第2問】
将来は、世界一周の旅〇出たいと思っている。
A. に
B. へ
【第3問】
先月、京都〇行ってきました。
A. に
B. へ
【第4問】
郵便局〇荷物を出しに行く。
A. に
B. へ
【第5問】
なんとなく、どこか遠く〇行きたい気分だ。
A. に
B. へ
🔍答えと解説はこちら!
(※どちらでも間違いではない場合もありますが、「より自然な表現」を選んでいます)
【第1問】正解:
A. に
→ ピアノのレッスンという“明確な目的地”なので「に行く」が自然。
【第2問】正解:
B. へ
→ 「旅へ出る」は、目的地よりも“旅という行為”自体に焦点がある。
【第3問】正解:
AでもBでもOK
→ 会話文なら「京都に行った」が自然。
→ 日記やエッセイなど、やや感情的に書きたい場合は「へ」も◎。
【第4問】正解:
A. に
→ 郵便局で用事を済ませることが目的なので、「に行く」が適切。
【第5問】正解:
B. へ
→ 行き先はぼんやりしており、「ふらっと向かいたい気持ち」を表現するには「へ」がぴったり!
🌸まとめ
「〜に行く」も「〜へ行く」も、どちらも正しい表現。
でも、伝わる印象はこんなふうに変わります。
- 「に行く」:到達点を重視/目的地が明確
- 「へ行く」:動きや気持ちの方向を重視/ふんわりとした印象
文章や会話のトーンによって、どちらを使うか選べるようになると、
言葉の表現力がぐっと上がりますよ!
